本来、腎臓という臓器は血液をろ過し、老廃物を尿にする役割を持っているので、大量の血液が腎臓に送り込まれます。
そのために、腎臓がんになってしまうと、がん細胞が血液に運ばれ全身をめぐり、他の臓器にまで転移してしまうのです。
もうひとつ、腎臓を覆っているゲロータ筋膜にがんが浸潤してしまうことが転移しやすい理由です。
このような理由から、腎臓がんは転移しやすい性質を持っていると言えます。
腎臓がんと診断された場合、他の臓器への転移がないかという精密検査も行います。
転移するスピードは個人差があります。
知らないうちにがんが進行し、先に転移先の臓器の機能が低下して症状が出る場合もあれば、治療が終わってから10年後に転移したがんが発見されることもあるのです。
一般的に、がんは、治療後何事もなく5年以上経てば完治したと判断されますが、腎臓がんは10年、さらに20年経っても転移の可能性があると言われます。
それほど油断できない病気と言えるでしょう。
腎臓がんが転移しやすい代表的な場所は、肺と骨です。
自覚症状に乏しく、なかなか気づくことの難しい腎臓がんですので、肺に転移していれば咳や血痰、骨なら骨折や痛み、などの症状が先に出てしまうことがあり、検査で初めてじつは腎臓がんが発生していたということも多くあるそうです。
他にも肝臓やリンパ節にも転移することがあります。
転移しやすいがんということを踏まえて、腎臓がんが見つかった場合は腎臓以外の臓器のチェックもされ、特に肺と骨は重点的に診られます。
肺の検査では、胸部のX線検査とCTスキャンを行い、骨の検査では、骨シンチグラフィーという検査を行い診断されます。
腎臓がんの治療は一般的には外科手術を行い、それに併せて放射線治療なども行われます。
腎臓がんは、他の臓器のがんと違い抗がん剤に対しての感受性が低いため、抗がん剤治療を行うことは少ないのです。
肺や骨などに転移した場合、インターフェロンやインターロイキン2などの薬剤を投与し、免疫療法を行います。
免疫療法は、体の免疫機能を高める効果があり、進行したがんの場合、完治までは望めなくても、がんと共存していく道がとられます。
ただ、副作用もあり、発熱や倦怠感、食欲不振などの症状があります
さらに最近では、分子標的治療という新しい治療法が一部の病院で行われています。
がん細胞の増殖に関わる分子を阻害する効果があり、結果、がんの成長を止める効果が期待できます。